生物としての人間。

人間は生物の一つの種である。3分間呼吸を止めていてください。・・・・苦しいかもしれない。一週間水を一滴も飲まないでください。・・・・苦しいかもしれない。30日間何も食べないでください。・・・・苦しいかもしれない。人間が生きていくためには、空気と水と食べ物が不可欠である。今、この空気と水と食糧が危なくなってきている。大気は汚れ、飲料水は不足し、食糧の安全性が問われてきている。

おそらく、2010年代には、多くの国々で飲料水の不足が問題となってくると思われる。現在でも、水を輸入している国がある。日本でもミネラルウォーターの消費量は年々増えている。ガソリン1リッターが税金がかかっているとはいえ130円前後(メジャーでは史上最高値を更新しているが・・・)、ミネラルウォーター500ccが120円前後、ほぼ同額である(但し、円とドルとの為替レートにも作用される)。インド、中国などは人口の多さもあいまって深刻な問題となると思われる。

そして、2020年から2030年、人類は70億以上の人口を数え、深刻な食糧難を迎えるだろう。現在でも人類の3分の2は飢えの状況下にある。さらにその半分、人類の3分の1は、「きょうもお腹いっぱい食べられなかったけれど、明日、きょうと同じ量の食料が確保できるとは限らない状況にある」。もし今、世界のどこかの火山が大爆発を起こしたなら、異常気象が地球全体を覆い農産物生産地に大きな影響を与えるだろう。それは即刻、世界の穀物市場に影響を与え、穀物の高騰、ひいては食料不足を加速させる。食料は不足しているだけではなく偏在しているのである。富める国々では、穀物よりも肉食を好み、トウモロコシや大豆を飼料として牛や豚が生産される。発展途上国では、外貨獲得のために、食料を生産する傍らで、コーヒーや香辛料など換金食物を優先する傾向もある。食料は不足している一方で、偏在しているのである。

そして、冷却装置や工業用洗浄用に用いられたフロンガスによるオゾン層の破壊、地球温暖化による環境破壊、森林資源の破壊などによって、大気が汚染されていく。植物は二酸化炭素を葉や枝に固定し、酸素を生成する。人類は、化石燃料を燃焼し続けている。

人間が生きていくためには、空気と水と食料が不可欠である。今、人類は大きな過度期に立たされている。