世界で最も美しい環境国家の創造へ。

日本の国土の7割は森林である。先進国の中では有数の森林国家である。南は沖縄から北は北海道まで、気候風土の多様性と、春夏秋冬、はっきりとした四季の変化がある国。今、地球がいたるところで裸地化し、砂漠化する中で、島国として多湿である事は、国土の緑化に大いに貢献している。また古来より、豊な森林から流れ下る河川と、親潮黒潮など豊かな海流が、海洋国家日本を育ててきた。

歴史的にも、古代縄文文化より育まれてきた自然崇拝や鎮守の森、八百万(やおよろず)の神々を祭る慣用性と、弥生時代からの稲作農耕民族としての協調の心。仏教伝来後、聖徳太子の17条憲法に記された、和を持って尊しとなす、和の精神。さらに秀吉の時代1588年には刀狩令によって、農民、僧侶など一般市民の武装解除を行っている。さらにまた現代憲法における第9条の戦争の放棄。そして武器輸出の禁止。すなわち、古来より持っている日本人の和を尊重する心は、世界の平和に対して、大きな意味を持つものと思う。

一方、かの世界一の超大国U.S.A.における軍需産業は、世界の国々の民主化と自由の確保の大儀の下、巨大に発展してきた。また個人は個人を自ら守る権利があるという理念の下に、武器の所持が許され、全米ライフル協会など、政治に大きな圧力をかけている。U.S.A.における軍需産業は、軍産複合体として発展し、この国の雇用の創出に大いに貢献し、世界の平和維持と民主化を、時に強力に推し進めている。

21世紀、日本のグランドデザインを描くとき、世界で最も美しい環境国家を創造したい。日本全土を花と緑に彩られた庭園国家とし、世界で最も美しいグリーンアイランドにしたい。北から南まで、山を越え、谷を越えて息づく固有の文化を尊重し、多様性こそが豊かさであることを認識し、和を持って尊しとする精神を世界に広め、世界の平和に貢献したい。

鎖国をしていた江戸時代、日本は食もエネルギーも自給自足の国家であった。東京(江戸)は、緑に囲まれた武家屋敷、お花見を楽しみ、鉢植えの花々を飾った庶民の生活など、当時としては。世界で最も美しい都市であっただろうといわれている。さらにおよそ100万人の人口を擁しながらも、見事にリサイクルが行き届いた環境都市だったという。この伝統を踏まえ、高い技術力と豊かな知識を駆使し、世界で最も安全で安心できる、健康で美しい国を創造したい。